【簡単】鯖の味噌煮缶でチーズ焼きを作ろう

サバ缶のホロホロの骨ほど美味いものはない

子どもの頃、バッテラの昆布に夢中になった人はいないだろうか。

バッテラとは何か。ポルトガル語のbateira(小舟)を語源とする、鯖の押し寿司のことである。我が家ではよく食べていたため認知度が不明なので、この呼称の存在を知らなかった方には是非Twitterのリプライでアピールしていただきたい。

愛知県西三河のローカルチェーンカネキチで寿司を買うとき、私の母は必ずこのバッテラを注文する。羊羹のような形にぎゅっと固められた鯖の押し寿司。その上に、透明な薄い昆布が儚げに乗っている。子どもの頃、酢の効いた鯖の押し寿司はあまり好きではなかったが、この昆布だけをよく母親にねだった。自分が母親となった今、このバッテラの要とも言える昆布を子どもからねだられたらどうするだろうか。食い意地だけは誰にも負けない自信があるのだが、そこは可愛い我が子。やっぱりあげちゃうかもしれない。昔、あのペラペラの昆布を与えてくれた母親には、きっと完全体の鯖寿司を味わいたい気持ちもあっただろう。親の心子知らずとはこのことである

さて、昆布と同様に私がねだっていたものがある。それは鯖缶の骨だ。最近流行りの鯖缶だが、父親の定番のおつまみであった。カネキチがローカルチェーンであることにショックを受けて最早調べる気力を失ってしまったのだが、きっと圧力かなんかで骨まで柔らかく調理されていて、身と一緒に食べることができる。私は、この骨をバラバラにならないように身から丁寧に外して食べるのが大好きだ。通常食べられない部分を美味しく食べられるのが特別に感じるのだろうか。母と同様に、父もまたこの鯖缶の骨を私に分け与えてくれた。母さんがくれたバッテラの昆布、父さんがくれた鯖缶の骨。こういった両親の愛情を受けて育ってきたのだと思うと感慨深い。

 

前置きが長くなったが、今回はこの鯖缶を使った簡単レシピを紹介する。何かで見たレシピだが、簡単すぎて出典を忘れてしまった。申し訳ないが、誰かに伝えたいほど簡単で美味しいのでブログのネタにさせていただく。

 

鯖味噌缶のチーズ焼き

材料はこれだけ。

  • 鯖味噌煮缶
  • 好きな野菜(ミニトマトやキノコ)
  • 溶けるチーズ

 

まず鯖の味噌煮缶を用意する。どこかで買った金ピカの鯖缶。国産でなんとかガムとかが入っていないので、健康オタク的には良質な鯖缶なのではないだろうか。また買いたいんだけどどこに売ってるんだろうね。

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今回は舞茸を用意したが、オリジナルのレシピではしめじだった気もする。どちらでも美味しいので、お好みのキノコで挑戦してほしい。右の器が私、左の器が主人用である。身体に良いキノコだが、入れすぎるとクレームが入るので気をつけたい。

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鯖とミニトマトも敷き詰める。キノコも手でさけるので包丁やまな板を使わずに済む。と思ったが、石づきを取るのに普通に包丁が要るのに今気づいた。無念。予め下拵えしておくといいね。

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続いて鯖缶の汁をかけてオーブン下段で適度に加熱する。チーズまで乗せてしまってもいいのだが、キノコにしっかり火を通したい派なので、先に具材だけで。他の細々とした調味料が要らないのがこの料理の旨味である。

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最後にチーズをのせてオーブン上段で炙って完成。

チーズがとろとろのうちに召し上がってください。火傷には気をつけて。

 

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